ミルク缶とチョコレイト

村上さんと関ジャニ∞がすきな深読み妖怪のブログ

『8UPPERS』のジャッキーに関する深読みをやりたい放題した

 

どうも!私は深読みを生業とする妖怪なので今回は大好きな『8UPPERS』の中から、村上信五さん演じるジャッキーというキャラクターについて深読みしようと思っています!

「なんで今パッチなんだよ!7年前の作品だぞ!」と思われるかもしれませんが、私は2015年あたりから入ったいわゆる新規オタクなので、私にとっては8UPPERSも余裕の新作です!!なので昨年発売されたかのようなフレッシュさで8UPPERSに関する深読みをさせていただきます!なぜ考察といわずに深読みと称するかというと考察というほど高尚なものじゃないからです!!イエーイ!

 

 

 

【1】『8UPPERS』における2つの軸

 

この作品は情緒の欠片もない説明をすると「とつぜん現れた赤子に殺し屋集団が精神的に救われる」話なんですが、その中に軸となる小さな物語が2つあると私は考えています。

 

その2つとは、まず渋谷すばるさん演じるアーセナル」の物語、次に村上信五さん演じる「ジャッキー」の物語です。

 

どうして私がこのように考えたかというと、この作品の中で明確に問題提起(苦悩)→問題解決(救い)のプロセスが描かれているのがこの2人だから。もちろん全員が主役ではあるのですが、初見で見たときに視聴者がキャラクターの物語を把握できるのはこの二人(特にアーセナル)かなあと思います。

 

ちょっと前書きが長くなってしまいましたが、最初にお話したとおり今回はこの2つの軸のうち「ジャッキー」の物語についてやりたい放題深読みします!

 

【2】ジャッキーとトッポ

 

!実はいちばん仲良しなふたり

 

ジャッキーというキャラクターを語る上で絶対に欠かせないのがトッポです。

 

私は初めて8UPPERSを見た時「トッポちゃんにだけなんでそんなに横暴なんや!」と感じてちょっと嫌だったんですが、特典パンフのジャッキーとトッポの項目をそれぞれ読むにつけ全く違った印象を抱くことになりました。特にジャッキーは特典パンフを見るか見ないかで印象が全然変わってくるキャラクターじゃないかなと思います。

 

産まれてまもなく両親に捨てられたジャッキーは、物心ついた時から「こどもの家」で育った。彼は誰から言われるともなく、それに気づいていた。自分自身の本当の心を閉ざしてしまったジャッキー。唯一同じ境遇のトッポには心を許していたものの、表面だけで明るくふるまい続ける彼の心が満たされる事はなかった。

トッポは生後数か月で「こどもの家」に引き取られた。施設で同室のジャッキーとはずっと一緒。性格は正反対で、他人とコミュニケーションを取ることが面倒なトッポは、トランプやけん玉などで一人遊んでいることが多かった。


そう、ジャッキーがトッポにだけ強めの態度なのにそれがメンバーやトッポ本人からも許されているのは、お互いが完全に気を許しているから。マックとジャッキーは相棒というイメージが強い関係性ですが、ジャッキーとトッポは家族が一番しっくりくる関係性なのです。そこに気づくといろんな場面でジャッキーとトッポの絆が見えてきます。

 

最初の車内のシーンや最後の澤村の家でトッポに八つ当たりに近い絡み方をするジャッキーだけど、そもそも気の弱いトッポがこんな絡み方されてしっかり拒否できるって相当仲がいいんだな、とか

 

駐車場でマックと車に荷物を運び入れるときに「トッポの服と、エースのおもちゃ」って言うジャッキー、とか(服はジョニーとアーセナルも一緒に買ってる)(トッポが張り切って買ってるってわかってるんでしょう)

 

道路を渡って公園に行くシーンでジャッキーを引っ張るトッポ、とか

 

エイトが自分の名前を言ったとき、すぐそこにいたガムに「今自分でエイトって言った!」って伝えても「んなことあるかい」って言われたらすぐに諦めて「ジャッキー!ジャッキー!!」と連呼し、ジャッキーにも「嘘つけ」って否定されるのにそこは強気でいくトッポ、とか……

 

目に映る全てのものがメッセージ。

 

そして言わせてください。

 

トッポちゃんマジ天使。

 

!ジャッキーとトッポはお互いを救いあっている

 

この物語は「親と子供」が大きなテーマになっています。

 

8UPPERSのメンバーはそれぞれ傷を抱えていますが、この「親と子供」というテーマが特に重たいのがジャッキーとトッポ、そしてアーセナルの3人です。なぜならこの3人は、産まれて間もなく施設に預けられているため「親の顔を知らない」のです。

 

親から愛情を受け取ることのできなかった子供に発生する問題として「自己肯定が上手くできない」ことが挙げられます。自分に自信のないトッポや自分は汚れていると諦めているアーセナルはまさに典型的ですね。

 

そこで浮き彫りになるのがジャッキーの異質さ。ジャッキーは七人の中でもあまり闇を感じられない「普通」の人です。でもこれ、他二人の状態を見れば逆に不自然ですよね。

 

そう、この「普通」こそがジャッキーの抱える傷なのです。

 

産まれてまもなく両親に捨てられたジャッキーは、物心ついた時から「こどもの家」で育った。彼は誰から言われるともなく、それに気づいていた。自分自身の本当の心を閉ざしてしまったジャッキー。唯一同じ境遇のトッポには心を許していたものの、表面だけで明るくふるまい続ける彼の心が満たされる事はなかった。

ジョニーを助けて仲間に入れたり、トッポの両親探しを手伝ったり、彼の仲間を思いやる気持ちは人一倍強かった。

 

愛が与えられないとき、寂しいときに子供がとる行動は「愛情を求める」「愛情を諦める」のどちかが多いと思います。現にトッポは前者でアーセナルは後者ですね。しかし、ジャッキーはそのどちらも選択せず、「愛情を与える」ことを選んだ。

 

マックは日記上でジャッキーを「あいつはほんまに正義感が強かった」と書いていますが、ジャッキーは誰かを助けることで「誰かを助けた自分」を肯定したかったんじゃないかな思うのです。親が必要としてくれなかったという思いから、「必要とされる存在」になろうとした。

 

ジャッキーの行いで得られるものはあくまで自らの行いによって得られた対価(と本人が感じてしまう)ですから、ジャッキーの求めている「絶対的な肯定感」「無償の愛情」とは違うものです。だからこそ「表面だけで明るくふるまい続ける彼の心が満たされる事はなかった」のでしょう。それでも与えられた側からするとそれは愛情に違いなく、トッポやジョニー、そしてマックは確実に救っているわけで、なんといえばいいのか、もう幼少期ジャッキーめっちゃいじらしい……。

 

さて、ジャッキーが「愛情を与える」選択をしたのはトッポの存在が大きいと思います。

 

作品中の二人の描写や「トッポが両親を知りたかったときにジャッキーにお願いした」という設定から見えてくる、「世話焼きが行き過ぎてたまに横暴になるけど正義感の強いジャッキー」と「それを鬱陶しく思いつつも頼りにしているトッポ」という親子や兄弟みたいな関係性。

 

トッポはジャッキーから親の愛のようなものをずっと注がれていて、それが鬱陶しくも救いになっていたと思います。

 

そしてジャッキーはジャッキーで、自分を頼りにするトッポにずっと救われていたと思うのです。

 

ジャッキーから両親の秘密を教えてもらったとき、トッポは「長年の悩みにも似た出生の秘密から解放された」のですが、

 

トッポからすると「自分の根幹に関わる悩みを解放してくれたジャッキー」が、ジャッキーからするとそんな大事なことを自分に任せてくれたトッポ」がそれぞれ救いになっているのだなあと思うと、ジャッキーとトッポに関する論文をくれと思わざるを得ません。

 

トッポが8歳のときにジャッキーに両親の秘密を探るお手伝いをお願いするのですが、結果を打ち明けられるまで数年の時間経過があります。これは単純にジャッキーが調べるのにそれだけかかったのか、8歳のトッポには内容が重すぎるとジャッキーが判断して言うのを待っていたのかどっちなんでしょうね。

 

「ジャッキーに相談すると夜中に資料室に忍び込み、情報を探し出してきてくれた」という記述があるので、後者なのかなあ。でもそうだとすると、ジャッキーのトッポに対する愛情が深すぎてちょっと目眩がします。自分の大切な人の重大な秘密を大切な人にずっと黙ってるってめっちゃしんどいじゃん……。ジャッキー自身の親に関してはいくら調べても出てこなかったこともふまえるとさらに切ない。

 

エイトを拾ってきたとき、トッポが「一回親と話したほうがいいんじゃない?」と言ったのは、自分が親のことを知って救われたからじゃないかなと思うんです。そしてそれはイコールトッポがジャッキーに救われたと思うとやっぱりジャッキーとトッポに関する論文をくれと思わざるを得ません(二回目)

 

【3】ジャッキーとマックの話

 

!8UPPERSの最強キャラ、マック

 

マックというキャラクターは8UPPERSという作品における最強キャラ、ジョーカー的存在です。七人の中でこの人だけが苦悩する描写がなく、最初から最後までブレることがありませんでした。号泣はしてたけど。絵本で。というかそもそもこの物語は全てがマックの望みどおりに進んでいます。まさにブレーン。

 

なぜ作品中でマックが最強キャラかというと、8UPPERSでこの人は唯一「親からの愛情をしっかりと受取り」なおかつ「親から裏切られてない」から。親の愛情を知っているから彼は「親と子供」というテーマにまったく怯まないし、ジャッキーを救う言葉を与えることができた。(「ほんまの」家族がいたマックにしかあのセリフは言えない)

 

ガムちゃんも比較的ブレが少ないですが、これも多分親から肯定して貰えたからじゃないかな、と思っています。(ガムちゃんは確執のあった父親の最期に立会い、謝罪を受けています)(個人的には泣いて謝ったくらいで許されると思うなよこの野郎という気持ちもあるけど、ガムちゃんがそれで立ち直れたならいいよ…)


!ジャッキーがマックに重ねた「本当の自分」とは


マックが施設に入ってきたとき、マックは家族を亡くしたショックから誰とも言葉を交わさず一人でいるという状態でした。特典パンフには

 

ジャッキーは本当の自分をマックに重ねていたのかもしれない。

 

という記述があります。つまり、ジャッキーが隠してしまった「本当の自分」は、このときのマックの状態に近いということです。この時のマックはどういう状態かを考えると、家族を失った悲しみから転じて「こんな目にあわせやがって」という怒りの感情を抱え、他人を拒絶していたのだと思います。

 

つまり、ジャッキーは「怒り」を隠して明るく振る舞っていた。それには2つの理由があると思っています。

 

まず、相手がいない。

マックには事故の犯人やおそらく引き取りを拒否したであろう親戚だとか明確な怒りの矛先がありますが、ジャッキーにはありません。なんで俺を捨てたんや、こんな目にあわなあかんねんとどんなに怒りたくても、ジャッキーの親の顔も名前も知らなければ、捨てられた理由さえわからない。怒りたいのに誰にも怒れない。

 

次に、孤独を恐れた。
マックには家族との思い出がありますから、施設にいる他人を無視しても本当の意味では一人になりません。しかし、ジャッキーにはそれがない。マックのように怒りに任せて他人を拒絶すれば、ジャッキーは本当にこの世で一人ぼっち(になったような気持ち)になってしまいます。

 

行き場のなくなった怒りはおそらく「捨てられた自分」へと向くでしょうし、孤独はとてもつらく悲しいことです。だから、ジャッキーは自分を守るために怒るのをやめ、明るく振る舞うようになったのでしょう。

 

ジャッキーがどんなに邪険にされてもマックをかまいつづけたのは、自分と同じく怒りを抱いた子供を救うことで自分を救いたかったからなのかもしれません。

 

少し話が逸れますが、個人的にマックは「怒り」のキャラクターだと思っています。

 

澤村と対峙するときに一番怒っていたのはマックだと思うんです。もちろん他のメンバーも怒っていたけれど、他のメンバーは「澤村を通して自分の抱える悲しみと対峙する」という意味合いが強かったと思うんです。一番澤村を本質的に責めてたのはマックだと思います。他のメンバーにはまだエイトを渡すことってできなかったんじゃないかな…。親の愛をそこまで信じられていないから。

 

たとえば、他のメンバーはエイトを捨てた母親や澤村に対して他のメンバーは「なんでこんなことすんねん!信じられへん!」ってスタンスでしたがマックはすぐに受け入れていました。人は平気でひどいことをすると知っていたからじゃないかと思います。

 

マックは他人を一番シビアに見れる人間なんじゃないかなと思います。それは「事故で家族と死別」「後輩の万引きがきっかけで退職」「恩人が殺される」と少なくとも三回はちょっと生きるのを諦めたくなるくらい辛い出来事を他人の仕業によって経験しているせいかと思います。いやこれ結構悲惨な設定ですよね。家族との死別はいうまでもないですが、他二回は人生これから頑張ろうと思った矢先に挫かれてるわけですから……いやもうマック、強く生きて。

 

あとジョニーもすぐにエイトを受け入れてたけど、ジョニーの場合はちょっと病んでる印象。ある程度大きくなってからいきなり親に施設に入れられてるジョニーからの「捨てるような親に返したってしゃあないって」は強烈すぎるパンチでした。さらに施設出てから詐欺にもあってるしちょっと人間不信気味なのかもしれない。ジョニー、強く生きて。


!マックはジャッキーのみちしるべ


頑なに他人を拒否しつづけたマックとジャッキーが二人が仲良くなるきっかけは「マックの姉の形見の人形を上級生に奪われ、それをジャッキーが取り返した」ことなんですが、家族への愛を大切にし続けているマックが家族(親)からの愛を求めているジャッキーにとっては希望であり、仲良くなってからはみちしるべとなったのだと思います。

 

特にそう感じたのが、澤村のところに行く前のシーン。

 イトの母親と会ったあと、「俺らはエイトとほんまの家族にはなられへんもんなあ」とジャッキーはぼやく。これはエイトだけじゃなくてたぶん8UPPERSの面々のことも含めて言っている。母親を前にして「かなわない」とジャッキーは思ってしまった。親、家族の絆には、他人がどんなに可愛がっていても勝てないと思ってしまった。

 

それは、ジャッキーにとっては8UPPERSの絆をも否定する事実です。 ジャッキーには家族がいないけど、ジャッキーが可愛がってきたトッポにも救って懐いてくれたジョニーにも頼りにしているマックにも家族がいる。血の繋がってない他人では「家族」より大切な存在にはなれないとしたら、ジャッキーの今までしてきたことは全部ムダになってしまう。

 

でも、それを誰よりも血の繋がった家族を大切にしているマックが否定してくれた。「俺はお前らとほんまの兄弟やとおもってる」「それでええんとちゃうんか」。ジャッキーが欲しかった言葉そのものだったと思います。いや、これほんといい話ですね……。

 

【4】ジャッキーと料理、村上信五と司会の話

 

!料理担当と司会は似ている

 

ジャッキーが料理を担当している、という点に凄く思うところがありまして。

 

「ジャッキーが食に興味とこだわりを持ち出したのはごく小さい頃から」だそうですが、これも「誰かに必要とされたい」という気持ちから来たんじゃないのかな。

 

「ジャッキーこれ美味しいなあ!」「今日のご飯なに?」「ジャッキー今度あれつくってやあ」などなど、言われるのが何よりジャッキーの幸せなんじゃないかと。文句言われたり残されたりむかつくときもあるでしょうけどね!

 

そして「家族へのあこがれ」もあったのだと思います。「家族で囲む食卓」っていう幸せのシンボルを追い求めてたんじゃないかなって。現にマックの日記で「あいつの作る料理がおふくろの味みたいになってる」って言ってましたしね。よかったねジャッキー(泣)きっとトッポちゃんもそう思ってるよ(号泣)

 

ジャッキーというキャラクターにはジャッキーの役者である村上さんのキャラクターが違う形で、でもすごく上手に取り込まれているなと思うことが多々あるのですが、特にこの料理を担当しているという点が深いなあと思うのです。

 

家庭内で料理を担当するのは多くの場合はお母さんですが、お母さんが毎日料理を作っても、毎日ちゃんと感謝する人はそんなにいなくて、逆に文句とか言っちゃったりして。一人暮らしして初めてお母さんのありがたみがわかった、なんてのはよくある話ですよね。

 

司会業にしてもそうで、司会してる村上さんってもはや当たり前のことです。でも、ふと喋ってないメンバーに話振ってあげていたりゲストが喋りやすいように配慮していたりするところを見ると、「ああこの人は本当に常に気を配ってるんだなあ」ってしみじみ気付かされます。そもそも気配りが出来るのが当たり前になっちゃってるところがまた凄い。

 

村上さんがオカンと例えられる理由はいろいろあるだろうけど、毎日ご飯を作ってくれるお母さんのように、「当たり前」をきっちりやってくれるところもそのひとつなんじゃないかなって思います。

 

【5】8UPPERSとかいう最高のコンテンツは最高


最後の最後で最高に頭の悪い見出しですが、思いを素直に形にするとこんな感じです。今回は書けませんでしたがエースちゃんとアーセナルの関係性も本当にたまらなくて、今でもパッチを見直すたびに「タバコ・・・・・・」「ベンチに同時に背中がついた!!!!」などと初見みたいな反応をしています。

 

あとエースちゃんの最初のタバコ投げ捨てるとこマジで今世紀最高のかっこかわいい映像では?モンドセレクション受賞作品か?と見るたび思います。マジ続編をお願いしたい、施設編もしくは8UPPERS結成編をぜひともお願いしたい。ガムちゃんのなんでもない日とかほしい。

 

自分でもひくくらい長々と書いてしまいましたが、8UPPERS最高と思っているこの気持ちが伝われば幸いです。いやほんと突き詰めればそれしかないですね。あとはジャッキーとトッポに関する論文とアーセナルとエースに関する論文くれとしか思ってないです!!!!

 

では、お読み頂きありがとうございました!